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文献詳細

雑誌文献

臨床外科7巻3号

1952年03月発行

文献概要

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結石を有する皮下單純性血管腫の1例

著者: 緖方芳郞1

所属機関: 1大阪市交通局病院外科

ページ範囲:P.141 - P.142

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(1)緒言
 血管腫は血管を主成分とする腫瘍で,之が皮膚,可見粘膜に存在する時は其の特異な所見よりして,容易に診断がつくものである。
 然るに之が表面に表われない皮下脂肪組織,骨,脳その他,内臓等に存在する時は診断は必ずしも容易でない.その上,結石を伴う血管腫にあつては他の腫瘍との鑑別が益々困難となる.
 血管腫に関する報告は從来数多く有するが,皮下に限局して発生した症例に就ては他の内臓に於ける場合と同様,数が少い.
 即ち,1913年Little, Morris 1930年Beretvas, Lipot1930年小池,花岡1940年高木等の報告がある.
 結石に関しては沢野(1940年)が血管腫中に靜脈結石を認めた3例に就て報告している.
 私は背部に腫張感,牽引感,鈍痛を訴える患者に背部腫瘍の診断の下に手術を施し,其の剔出材料に就き肉眼的並に組織学的檢査の結果,それは内層に結石を有する皮下單純性血管腫であることが判つた.
 本症例は臨床上興昧ある例であるので茲に報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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