文献詳細
文献概要
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最近2年半に於ける破傷風30例の統計的観察
著者: 河野省吾1 杉江正文1
所属機関: 1市立宇和島病院外科
ページ範囲:P.142 - P.144
文献購入ページに移動I.緒言
純正創傷病である破傷風は,昔時より高死亡率と苦痛激しき疾患として,現在に至るも恐怖を以て扱われている疾患で,日頃吾々臨床にたずさわる者は当死亡率を出来得る限り低下せしめようと努力している所の1つである.
筆者等は最近2年半の間に30例の当患者を取扱い,本来諸家の統計報告の死亡率50%乃至60%を26.6%と成す事を得,以下臨床的観察を試み,諸賢の御批判を仰がんとするものである.尚当院は戦災病院であつたため,カルテの整理に不備の点があり,戰後より昭和23年末迄に多数例を経驗したにも拘らず本統計に加えなかつた事を附記する.
純正創傷病である破傷風は,昔時より高死亡率と苦痛激しき疾患として,現在に至るも恐怖を以て扱われている疾患で,日頃吾々臨床にたずさわる者は当死亡率を出来得る限り低下せしめようと努力している所の1つである.
筆者等は最近2年半の間に30例の当患者を取扱い,本来諸家の統計報告の死亡率50%乃至60%を26.6%と成す事を得,以下臨床的観察を試み,諸賢の御批判を仰がんとするものである.尚当院は戦災病院であつたため,カルテの整理に不備の点があり,戰後より昭和23年末迄に多数例を経驗したにも拘らず本統計に加えなかつた事を附記する.
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