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文献詳細

雑誌文献

臨床外科7巻5号

1952年05月発行

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前後式胸廓成形術々式

著者: 武田義章1 隅本彰1

所属機関: 1大阪大學醫學部第1外科教室

ページ範囲:P.241 - P.244

文献概要

 肺結核外科的療法の主軸をなして居る胸廓成形術は手術患者の予後が学者に依つて大差の在つた時代には,各種の手術々式が考按されて居た.然し1936年Sembが筋膜外肺剥離を併せ行う上部肋骨亞全切除法を発表して以来.Sauerurhchの側脊桂肋骨切除法は影をひそめ,專らSemb氏手術が広く行われる様になつた.その原因はSauerbruch氏手術は肋骨切除が長さに於て不充分である事.肺剥離を行わない爲に肺虚脱が不充分になり易い事,虚脱肺の再膨脹が早期に起る事等に在つたと思われる.勿論此の間に於ける適應樹立や後療法に進歩改善の在つた事は否めないが,Sauerbruchの最初の318例では35%,1922年の507例では33%,1942年1924〜1938間の世界各國の1600例に於いては40.6%は喀痰を無菌化せしめた(恐らくは塗抹陰性)と報告されて居る.Sauerbruch法を改良したGraf法は79%,Co—ryllos法は71%,Holst法は60%,Monaldiは64%Sembは64%,Iselinの行つたSemb法は80%を無菌化せしめた等と報告して居る.
 吾々の症例では判定を月1回培養1年後の成績としてSemb法1回(4〜5本切除)では50%,補成々形術を行つて61.1%を陰性化せしめたに過ぎなかつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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