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文献詳細

雑誌文献

臨床外科7巻6号

1952年06月発行

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胆嚢炎時に於けるチアミン代謝

著者: 近藤達平1

所属機関: 1名古屋大學今永外科

ページ範囲:P.280 - P.282

文献概要

 ビタミンB1は汎く臨床的に使用せられており,神経性疾患の場合の外に肝臟機能障碍に際しても葡萄糖,ビタミンC,Kインシュリン等と併用して屡々用いられるが,各種疾患時に於けるその作用機轉は未開の点多々あり,殊に外科的治療の対照となる疾患に於ては殆んどその研究を見ない.
 脚気の場合に肝障碍の認められる事は以前から臨床的にも観察されている事であるが,沢田は肝障碍時に焦性葡萄酸排泄が多いと述べ,肝臟及び胆道疾患時に沢田尿脚気反應が94%陽性に出ると言つている.かくの如く一般に脚気の場合に肝障碍が見られ又肝障碍時に焦性葡萄酸排泄の多い事より考えて肝障碍とビタミンB1との間に深い関係がある事を予想しうると思う.更にB1を大量に攝取するとその1/4以上が肝に貯えられる事,又肝におけるB1の附燐が著大な事よりしても肝臟とビタミンB1とが深い関係にある事は明かである.又大橋,三宅教授等はB1は胆汁分泌を亢めヒヨール酸が多量に出現すると述べB1欠乏は胆石成因に関係が深いと言つた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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