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文献詳細

雑誌文献

臨床外科7巻6号

1952年06月発行

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急性虫垂炎と胃液酸度について

著者: 植田忠1 村上正統1

所属機関: 1半田市民病院外科

ページ範囲:P.287 - P.291

文献概要

 急性虫垂炎は廻盲部疼痛,廻盲部皮膚過敏症,廻盲部腹壁筋緊張等の他胃部疼痛,胃痙攣,上腹部痛,臍周囲痛,惡心,嘔吐,食慾不振,呑酸,嘈囃,胃部膨満等色々な胃症状を伴つて発病する者が多い.
 之等虫垂炎の際に起る胃障碍に関しては,1910年B-G. A. Moynihanによつて始めてThree gastric stigmataの命名のもとに発表されてより,種々の実驗的及び臨床的研究がなされてきた.即ち之等胃障碍の起る原因として,泰西ではSante Solieri(1919)Gallassi Augusto(1930)Mac. Lean(1932)等は神経反射を以つて説明し,B. G. A. Moynihan(1910)Preusse(1932)等は淋巴管の連絡によつて説明し,又Vorschütz(1922)Marsch(1922)等は淋巴管を経て先づ大腸神経節が罹患し,次いで該神経の支配下にある胃に種々の症状を起すに至ると説明している.我國に於ては,後藤七郎教授が腹部三主徴として多数の例を報告せられたのを始め,綿織(1912)南(1927)田代(1929)友田(1931)益子(1936)池辺(1937)古森(1937)小堀(1949)白石(1951)等各氏に依つて報告せられ,特に益子氏は其の成立機轉を次の如く説明している.即ち1;虫垂胃反射によるもの.2;内臟交感神経節が2次的に犯され,其の支配下の胃に病変を生ずる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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