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文献詳細

雑誌文献

臨床外科70巻1号

2015年01月発行

文献概要

特集 胆道癌外科切除—再発防止のストラテジー 術中戦略

リンパ節郭清範囲—肝外胆管癌

著者: 加藤宏之1 臼井正信1 栗山直久1 田端正己1 伊佐地秀司1

所属機関: 1三重大学大学院医学系研究科肝胆膵・移植外科

ページ範囲:P.74 - P.79

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【ポイント】
◆肝門部領域胆管癌では系統的リンパ節郭清を行う前に肝臓切離を先行させ,critical pointである胆管切離限界点で胆管を切離し,胆管断端の癌陰性が得られれば系統的リンパ節郭清を施行する.
◆肝門部領域胆管癌におけるリンパ節郭清は十二指腸間膜内の#12リンパ節をまず徹底的に郭清し,より遠位でかつkey nodeに相当すると考えられる#8と13aリンパ節郭清を併せて行うことが重要である.
◆遠位胆管癌においては#14リンパ節が最も遠位かつkey nodeであり,これらのリンパ節の郭清には結腸間膜尾側よりSMAにアプローチする前方到達法が有用である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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