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臨床報告
胃癌と直腸癌同時手術後3か月目で発症したMRSAによる化膿性脊椎炎の1例
著者: 田代耕盛1 峯一彦1 市成秀樹1 米井彰洋1 宮原悠三1
所属機関: 1宮崎県立日南病院外科
ページ範囲:P.109 - P.112
文献購入ページに移動症例は75歳,男性.胃癌と直腸癌の診断にて,幽門側胃切除術および低位前方切除術を施行した.術後7日目に38.4℃の発熱が出現したが,腹部所見とドレーン排液に異常を認めなかった.カテーテル感染を疑い,中心静脈カテーテルを抜去した.術後9日目から水様便が出現し,便培養にてMRSAが検出されたが,その後,症状は軽快した.外来でのCRP値は2〜5 mg/dLを推移していたが,感染症状はなく経過観察としていた.術後3か月目に背部痛を自覚し受診した.Th11〜12における化膿性脊椎炎と診断された.同時に血液培養にてMRSAが検出された.バンコマイシン投与によってCRPの陰転化を認め,以降再燃は認められなかった.大侵襲術後のcompromised hostが症状を呈するようなMRSA感染をきたした場合には,即刻治療を行うことが肝要である.
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