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文献詳細

雑誌文献

臨床外科70巻11号

2015年10月発行

文献概要

増刊号 消化器・一般外科手術のPearls&Tips—ワンランク上の手術を達成する技と知恵 ④十二指腸・小腸

クローン病の小腸・十二指腸病変に対する手術

著者: 中山吾郎1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学

ページ範囲:P.85 - P.90

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 クローン病(Crohn's disease)は,小腸・大腸を中心とした消化管全域に発生しうる炎症性腸疾患であり,難治性の狭窄や瘻孔を生じる難病である.人口対10万人の有病率は約27人であり,2013(平成25)年度医療受給者証交付件数は39,799人で年々増加傾向にある1)
 外科的治療によりクローン病が治癒することはなく,その役割はあくまで対症的である.すなわち,内科的治療でコントロールができない消化管の狭窄,瘻孔,膿瘍形成などに対して腸管切除などを行うことでQOLに影響を及ぼす病変を「リセット」し,寛解維持のための内科的治療へ橋渡しすることが外科的治療の目的である.

参考文献

1)クローン病.難病情報センターホームページ〔http://www.nanbyou.or.jp〕
2)Simillis C, Purkayastha S, Yamamoto T, et al:A meta-analysis comparing converntional end-to-end anastomosis vs. other anastomotic configurations after resection in Crohn's disease. Dis Colon Rectum 50:1674-1687, 2007
3)Kono T, Ashida T, Ebisawa Y, et al:A new antimesenteric functional end to end hand-sewn anastomosis:surgical prevention of anastomotic recurrence in Crohn's disease. Dis Colon Rectum 54:586-592, 2009
4)畠山定宗,八尾恒良,松井敏幸,他:Crohn病の胃,十二指腸病変の長期経過—内視鏡所見の定量化による評価.胃と腸34:1239-1248,1999
5)杉田 昭,木村英明,小金井一隆,他:Crohn病の胃,十二指腸病変に対する外科治療.胃と腸42:477-484,2007
6)Yamamoto T, Bain IM, Connolly AB, et al:Outcome of strictureplasty for duodenal Crohn'sdisease. Br J Sur 86:259-262, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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