icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科70巻11号

2015年10月発行

文献概要

増刊号 消化器・一般外科手術のPearls&Tips—ワンランク上の手術を達成する技と知恵 ⑩脾臓

開腹・腹腔鏡下脾摘術

著者: 河地茂行1 千葉斉一1 高野公徳1

所属機関: 1東京医科大学八王子医療センター消化器外科・移植外科

ページ範囲:P.260 - P.265

文献購入ページに移動
 脾臓摘出術(脾摘術)の適応は様々であり,特発性血小板減少性紫斑病(ITP)のような良性疾患から,悪性リンパ腫などの悪性疾患,肝硬変に伴う脾腫,ABO血液型不適合移植における免疫制御のための脾摘など多岐に及んでいる(表1).脾摘術自体は再建を伴わない手術であり,難易度が高い手術とは一般的に考えられていないが,肝硬変などの門脈圧亢進症に伴う巨脾症例などは,視野の展開が難しいうえに,脾腎シャントなどの側副血行路が背側に存在しており,難易度の高い手術となる.
 本稿では一般的な脾摘術の手技(開腹・腹腔鏡下)を概説し,その後にワンランク難易度の高い脾摘術に対する手技的な工夫を解説する.

参考文献

1)佐々木章,新田浩幸,中嶋 潤,他:腹腔鏡下脾臓摘出術.臨外64:1703-1707,2009
2)小西晃造,富川盛雅,赤星朋比古,他:標準的腹腔鏡下脾摘出術.外科治療100:158-165, 2009
3)Isabella V, Marotta E, Bianchi F, et al:Ischemic necrosis of proximal gastric remnant following subtotal gastrectomy with splenectomy. J Surg Oncol 25:124-132, 1984
4)Takahashi H, Nara S, Ohigashi H, et al:Is preservation of the remnant stomach safe during distal pancreatectomy in patients who have undergone distal gastrectomy? World J Surg 37:430-436, 2013
5)伊藤貴洋,河埜道夫,近藤昭信,他:幽門側胃切除後に生じた脾腫瘍に対し脾部分切除を施行した1例.日臨外会誌72:2936-2940,2011
6)森田剛文,坂口孝宣,海野直樹,他:幽門側胃切除後の膵体尾部切除における残胃血流評価として術中indocyanine green蛍光造影を行なった1例.日消外会誌47:762-767,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?