文献詳細
文献概要
特集 同時性・異時性の重複がんを見落とさない—がん診療における他臓器への目配り 巻頭言
がん診療における他臓器への目配り—術前検査および術後follow upのあり方をもとめて
著者: 桑野博行1 横堀武彦2
所属機関: 1群馬大学大学院病態総合外科学 2群馬大学大学院病態腫瘍薬理学
ページ範囲:P.1314 - P.1315
文献購入ページに移動術前検査は言うまでもなく,適切な治療を行うために必須の検査であり,がん原発巣の進行度や遠隔臓器への転移の存在などを正確に診断することは,患者それぞれに対する適切な治療法,治療戦略の実施につながります.この際に特に注意を払うべきは重複がんの存在です.ご存知のように一部のがんは別臓器のがんと併存することが稀ではなく,特に気管支・肺・上部消化管領域に頻発する重複がんは,領域性発がん(field carcinogenesis)と呼ばれる,細胞レベルだけではなく領域性の発がんメカニズムも提唱されています.また,遺伝的な重複がんの発見には採血検査,画像検査だけでなく,近年発達の著しい遺伝子検査を適切に運用することも非常に重要な問題です.
掲載誌情報