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文献詳細

雑誌文献

臨床外科70巻12号

2015年11月発行

文献概要

ひとやすみ・131

医局人事の功罪

著者: 中川国利1

所属機関: 1宮城県赤十字血液センター

ページ範囲:P.1330 - P.1330

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 かつて大学の医局は多数の医局員を擁し,教育,臨床,研究,そして若手医師を育成して地域の医療機関にスタッフとして供給する役目も担っていた.しかしながら初期研修医制度制定を契機に,入局者が激減して医師供給制度の維持が困難となった.その結果,医局からの医師派遣は途絶え,地域医療の崩壊が深刻化した.大学医局による人事の功罪について,主に地域医療側からの私見を述べたいと思う.
 医局人事の最大の功績は,医局の関連病院になると確実にスタッフが供給されることが挙げられた.すなわち関連病院は医局と良好な関係を維持していれば,医師不足に苛まれることはなかった.さらに勤務する医師が学会出張や病気で急に足りなくなっても,医局は必ず面倒をみてくれた.また言動で問題を起こす医師が派遣されても,医局に相談すれば医師を交代してもらえた.医師側も就職活動をすることもなく赴任でき,さらに赴任先に不満があれば,医局に願い出ることにより異動もできた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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