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臨床報告
海老の殻による食餌性虫垂裂傷のため虫垂出血をきたした1例
著者: 二井諒子1 御井保彦1 沢秀博1 岡成光1 岩谷慶照1 黒田大介1
所属機関: 1北播磨総合医療センター外科
ページ範囲:P.1423 - P.1427
文献購入ページに移動症例は45歳,男性.夜間に多量の鮮血便を認め当院に救急搬送された.緊急下部消化管内視鏡検査にて虫垂開口部からの湧出性の出血を認めた.出血部位同定のため,出血部に造影剤を注入したところ,虫垂が造影され出血は認めなくなった.しかし,翌日に貧血の進行とともに,大量の下血から出血性ショックをきたしたため,緊急開腹手術を行った.出血部位の同定のため,術中内視鏡を併用し,出血部位が虫垂であることを確認し切除を行った.虫垂内腔を観察すると,海老の殻と粘膜の裂傷を認めた.術後出血は認めなかった.虫垂異物による出血の報告はなく,稀な症例を経験した.診断の補助として術中内視鏡は手術方法の決定において有用であった.
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