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臨床報告
Pagetoid spreadを伴う肛門管癌に対し腹会陰式直腸切断術,後大腿皮弁形成術後に内ヘルニアを呈した1例
著者: 松永理絵1 杉藤正典1 山崎信義1 齋藤典男1 櫻庭実2 小嶋基寛3
所属機関: 1国立がん研究センター東病院大腸外科 2国立がん研究センター東病院形成外科 3国立がん研究センター東病院臨床開発センター臨床腫瘍病理分野
ページ範囲:P.231 - P.236
文献購入ページに移動症例は62歳,男性.主訴は肛門痛であった.生検にてPagetoid spreadを伴う肛門管癌と診断し,腹会陰式直腸切断術,後大腿皮弁形成術を行った.術後8日目にCT検査にて機械性腸閉塞と診断し,緊急手術を行った.初回手術時に縫合閉鎖した腹膜の間隙に小腸が嵌り込み,内ヘルニアとなっていた.広範囲皮膚切除後の欠損部に充塡された皮弁の生着のため,骨盤死腔内はドレーンにより陰圧で管理されていたために小腸が嵌り込んだと考えられた.広範な切除部位を皮弁で充塡し骨盤死腔を陰圧管理する際には,内ヘルニアが生じる可能性を考慮することが重要である.
参考文献
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