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文献詳細

雑誌文献

臨床外科70巻3号

2015年03月発行

文献概要

1200字通信・76

手術と躾

著者: 板野聡1

所属機関: 1寺田病院外科

ページ範囲:P.309 - P.309

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 ここ数年で,私の関係する医局でも若い教授方が次々と誕生し,頼もしく思っています.一昨年からは,当院でも,そうした新進気鋭の先生にお越しいただき,大腸の腹腔鏡下手術のご指導をお願いしています.
 先日のことですが,大腸癌の手術で,主治医が助手を務め,私がカメラ持ちをさせて頂く機会がありました.スムースに手術が進み,無事に病巣が切除されたとき,主治医が一旦手を降ろしてご家族への説明に行くことになり,しばらく私が助手を務めることになりました.病巣の切除と吻合は,小さく開けた創部から体外に引き出して行うため,通常の開腹手術と同じ操作になります.お互いに同門ということで,吻合の手順や使う糸の種類なども了解されたことであり,スムースに進んでいきます.そうした流れのなかで,ちょっとした糸の運びや鑷子の動きだったのでしょうが,「先輩方は,ここまで気を使って助手をされるのですね.私も昔に言われたことを思い出しました」とのお言葉を頂くことになりました.さらに,「これって,やはり躾ですよね」と続けられ,「そう言えば,昔は教えてもらうと言うよりは躾られた感じだったな」と,若かった頃のことを思い出すことになりました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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