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文献詳細

雑誌文献

臨床外科70巻3号

2015年03月発行

文献概要

臨床報告

超高齢者に発症し超音波ガイドと経腟的手技を併用して整復後,待機的に手術しえた閉鎖孔ヘルニア嵌頓の1例

著者: 杉山太郎1 須原貴志1 古田智彦1

所属機関: 1下呂市立金山病院外科

ページ範囲:P.355 - P.358

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要旨
症例は93歳,女性.腹痛と嘔気,嘔吐を主訴に受診し,CTにて右閉鎖孔ヘルニア嵌頓による腸閉塞と診断した.内転筋を絞る方法で超音波ガイド下の徒手整復を試みたが,疼痛のため整復が困難であった.腟に術者の示指と中指を挿入し,坐骨を支点として母指でヘルニア囊を押す方法に変更したところ,痛みを感じることなく整復に成功し症状の改善も認めた.その後,待機的に鼠径法でシートとメッシュを用いたヘルニア根治術を行った.退院後約2年間は再発を認めていない.

参考文献

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11)稲葉 毅:閉鎖孔ヘルニア.外科74:648-651,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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