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昨日の患者
死を前に病室で秘話を語る
著者: 中川国利1
所属機関: 1宮城県赤十字血液センター
ページ範囲:P.358 - P.358
文献購入ページに移動 戦後70年が過ぎ,戦争を知る世代は急速に減少しつつある.死を前にして,家族にも話さなかった戦争体験を語ってくれた患者さんを紹介する.
90歳代半ばのAさんは生来健康であったが,上腹部痛を主訴に来院した.精査を行うと多発性肝転移を伴う膵臓癌であった.本人の希望にて自宅療養していたが,疼痛が著明となり入院した.食欲不振のため痩せていたが,意識ははっきりしていた.そして「もう十分に生きてきましたから,苦しむことなく逝けるようにだけして下さい」と,意思表示した.
90歳代半ばのAさんは生来健康であったが,上腹部痛を主訴に来院した.精査を行うと多発性肝転移を伴う膵臓癌であった.本人の希望にて自宅療養していたが,疼痛が著明となり入院した.食欲不振のため痩せていたが,意識ははっきりしていた.そして「もう十分に生きてきましたから,苦しむことなく逝けるようにだけして下さい」と,意思表示した.
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