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特集 外科医が知っておくべき がん薬物療法の副作用とその対策 巻頭言
がん診療における化学療法の意義とその副作用対策の重要性
著者: 安藤幸滋1 沖英次1 前原喜彦1
所属機関: 1九州大学大学院消化器・総合外科
ページ範囲:P.524 - P.525
文献購入ページに移動わが国はかつてどの国も経験したことがないほど急速に高齢社会を迎えており,それとともにがん患者の絶対数も急速に増加している.しかし,医療資源はその急速な変化に追いついているとはいえない.
わが国では,がん医療の推進のため,がん対策基本法に基づくがん対策推進基本計画が制定され,平成24年にはその改訂が行われた.そこには,がんによる死亡率を20%減少させることをその目標の一つに掲げ,がんになっても安心して暮らせる社会の構築を目指すことが明記されている1).また,がん医療にあたっては,地域の医療機関と連携した早期発見,放射線診断医や病理診断医を交えたキャンサーボードの実施,手術や化学療法,放射線治療などを組み合わせた集学的治療,がんと診断されたときからの緩和ケアや精神心理的苦痛への対応,看護師やそのほかの医療従事者との連携など,さらなるチーム医療推進の必要性が指摘されている.しかし,それぞれの専門医不足は深刻であることも報告されている2).専門医不足の状況で,どのようにがん医療の質を向上させることができるのかが大きな課題となっている.
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