文献詳細
文献概要
昨日の患者
試練に耐えて生きる
著者: 中川国利1
所属機関: 1宮城県赤十字血液センター
ページ範囲:P.793 - P.793
文献購入ページに移動 病は人を選ばず,しかも突然に発症することも多い.そして罹患した人は宿命として粛々と受け入れ,病に伴う試練を耐え忍んで生きていかざるをえない.若くして深刻な病に罹患し,人生の荒波に耐えながらも明るく前向きに生きる女性を紹介する.
30年ほど前にもなるが,当時女子高校生であったMさんが度々吐血や下血を繰り返し,食道静脈瘤を伴う肝外門脈閉塞症と診断された.そこで出血のたびに大量の輸血を行い,さらには食道離断を伴う血行遮断術を行った.Mさんは手術を心配する母親に,「大丈夫だから,あまり心配しないで」と,健気にも逆に励ました.辛い手術にも耐え,そして授業に遅れまいと寸時を惜しんでは勉強した.勉学に勤しむMさんを誰もが応援し,若くて愛くるしい彼女は病棟のアイドル的存在となった.
30年ほど前にもなるが,当時女子高校生であったMさんが度々吐血や下血を繰り返し,食道静脈瘤を伴う肝外門脈閉塞症と診断された.そこで出血のたびに大量の輸血を行い,さらには食道離断を伴う血行遮断術を行った.Mさんは手術を心配する母親に,「大丈夫だから,あまり心配しないで」と,健気にも逆に励ました.辛い手術にも耐え,そして授業に遅れまいと寸時を惜しんでは勉強した.勉学に勤しむMさんを誰もが応援し,若くて愛くるしい彼女は病棟のアイドル的存在となった.
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