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臨床報告
局所再発および多発転移に対して集学的治療を施行した孤立性線維性腫瘍の1例
著者: 石山智敏1 神宮彰1 松本秀一1 菊地二郎1 山谷英之1 鈴木知信1
所属機関: 1山形県立新庄病院外科
ページ範囲:P.1041 - P.1045
文献購入ページに移動症例は74歳,男性.左側腹部の腫瘤を指摘され当院を受診した.膀胱前腔から発生した軟部組織腫瘍の診断で手術を施行した.病理組織学的に紡錘形-楕円形-類円形細胞が束状に増殖し,免疫組織化学染色でCD34がびまん性に陽性であったことより,孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor)と診断された.術後約半年の検査で膀胱腹側に不整形腫瘤を認め,局所再発の診断で切除した.さらに約1年後,肺・腹腔内に多発転移を認めた.現在パゾパニブを投与中で,一部縮小を認めている.孤立性線維性腫瘍は比較的稀な腫瘍で,外科的切除が原則とされている.化学療法の有効性は確立されていないが,パゾパニブは選択肢の1つになりうると思われた.
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