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文献詳細

雑誌文献

臨床外科70巻9号

2015年09月発行

ひとやすみ・128

死と向き合う

著者: 中川国利1

所属機関: 1宮城県赤十字血液センター

ページ範囲:P.1107 - P.1107

文献概要

 生を受けし者は年年歳歳老い,そして必ず死を迎える.したがって誰もが死を必然のこととして甘受し,悩みながらも自ら乗り越えて行かなければならない運命にある.しかしながら現代の日本では,病は必ず治癒するもので,死が究極の老化であることを認めない傾向にある.医療を行う医師でさえ,死を医療の敗北と捉えがちである.
 日常で死と向き合い考えることは至難の業で,死を明るく語ることができない.親が「こんな死に方をしたい」「自分の葬儀はこのようにして欲しい」と話すと,「縁起でもない話は止めてください」「死はまだまだ先のことですから」と,子供は話題にすることを避けがちである.一方,子供が「死が迫ったとき,延命処置を望みますか」「遺産相続はどのようにしますか」など,親の死について語ると,「おまえは親の死ぬのを待っているのか.親不孝者!」と決め付けられ,話が進まない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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