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文献詳細

雑誌文献

臨床外科70巻9号

2015年09月発行

文献概要

昨日の患者

エイズ患者

著者: 中川国利1

所属機関: 1宮城県赤十字血液センター

ページ範囲:P.1156 - P.1156

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 1970年代後半から1980年代初頭にかけて,非加熱血液凝固因子製剤の使用により多くの血友病患者がエイズウイルス(HIV)に感染し,大きな社会的問題となった.そして当時はHIVの治療法は確立されていなかったため,不治の病として社会から恐れられた.
 私が大学病院の外科医局に在籍していた1980年代初頭,内科学教室の20歳代後半の医師Aさんが後腹膜出血で入院した.血友病を有し,第Ⅷ因子が極端に低下していた.そこでアメリカの売血制度で集められた血液で製造した非加熱血液凝固因子製剤を大量に輸血した.出血は止まり,Aさんは退院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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