文献詳細
増刊号 消化器・一般外科医のための—救急・集中治療のすべて
Ⅲ章 消化器救急疾患 疾患別対処法 肝胆膵
文献概要
POINT
■診断基準を熟知し,急性肝不全に該当するか,昏睡型か非昏睡型か,急性か亜急性か,原因は何かなどを正確に把握する必要がある.
■急性肝不全は予後不良な疾患であり,昏睡型(亜急性)では内科的治療の成績は不良である.
■救命の戦略は,適切な内科的治療を速やかに開始するとともに,肝移植を念頭においた準備も進めることである.
■診断基準を熟知し,急性肝不全に該当するか,昏睡型か非昏睡型か,急性か亜急性か,原因は何かなどを正確に把握する必要がある.
■急性肝不全は予後不良な疾患であり,昏睡型(亜急性)では内科的治療の成績は不良である.
■救命の戦略は,適切な内科的治療を速やかに開始するとともに,肝移植を念頭においた準備も進めることである.
参考文献
1)持田 智,滝川康裕,中山伸朗,他:我が国における「急性肝不全」の概念,診断基準の確立:厚生労働省科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「難治性の肝・胆道疾患に関する調査 研究」班,ワーキンググループ1,研究報告.肝臓52:393-398,2011
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