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文献詳細

雑誌文献

臨床外科71巻13号

2016年12月発行

文献概要

昨日の患者

病棟で引き継がれる手作り袋

著者: 中川国利1

所属機関: 1宮城県赤十字血液センター

ページ範囲:P.1460 - P.1460

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 外科病棟には様々な趣味や特技を持った患者さんが,病を得て入院する.入院当初は手術を控えて緊張し心に余裕がないが,術後に痛みが緩和し食欲が出てくると,病室でも常日頃の活動を行う患者さんが現れる.そして診療を担うわれわれ医療従事者にも心のゆとりが生じ,医療以外の会話も弾む.
 80歳代前半のMさんは胆囊癌で,拡大胆囊摘出術を行った.術後経過は良好で,退院を前に編み棒で手袋を編んでいた.そこで「編み物が得意なのですね」と,声を掛けた.すると「母親は裁縫が得意で,私の服も作ってくれました.幼児の頃から見よう見まねで裁縫を覚え,大好きになりました」と語った.そこでバッグに貯めた尿や胆汁が直接外部から見えないように,携帯用袋の作製を依頼した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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