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書評
—永井英司(編)—完全腹腔鏡下胃切除術—エキスパートに学ぶ体腔内再建法[DVD付] フリーアクセス
著者: 谷川允彦1
所属機関: 1谷川記念病院
ページ範囲:P.198 - P.198
文献概要
1991年に始まった腹腔鏡下胃癌手術の過去25年間の普及は目覚しいもので,年間の手術症例数は3〜4年前まで回帰関数的な増加を示してきました.わが国において,11万〜12万人の年間胃癌罹患患者に対して(http://ganjoho.jp/public/index.html),National Clinical Database(NCD)や厚生労働省データベースによると,2011年から直近の2014年にかけて1年間に51,000〜55,000人に胃癌切除再建術式が行われており,そのうちの約30%の症例に腹腔鏡手術が行われるようになってきています.その実施率が腹腔鏡下大腸癌手術の場合よりも低いことについては,エビデンスが乏しいことから最新の胃癌治療ガイドライン(2014年)においても限られた範囲の推奨であることが大きく影響していると思われますが,進行胃癌を対象にした第Ⅲ相比較臨床試験が現在,複数進行していることから考えて,腹腔鏡手術が近い将来にはさらに重要な地位を占めるようになると予想されます.
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