文献詳細
臨床報告
腹腔鏡手術で治療しえた十二指腸憩室後腹膜穿孔の1例
著者: 西川泰代1 肥田侯矢1 田中英治1 川田洋憲1 長谷川傑1 坂井義治1
所属機関: 1京都大学医学部附属病院消化管外科
ページ範囲:P.223 - P.227
文献概要
症例は47歳,女性.急激な右側腹部痛で当院救急外来を受診した.腹部造影CTで,十二指腸背側に気腫と石灰化結節を伴う膿瘍を認め,十二指腸憩室の後腹膜穿孔と診断し,緊急腹腔鏡手術を施行した.5ポートでKocher授動を行い,十二指腸背側の後腹膜腔から膿汁の流出を確認した.後腹膜腔の剝離を進めると破綻した十二指腸憩室と結石を認め,憩室壁をトリミングして縫合閉鎖し,大網で被覆した.胆囊摘出とCチューブ留置を加え手術を終了した.術後経過は良好であった.本邦ではこれまで報告のない十二指腸憩室穿孔に対する腹腔鏡下手術を経験した.腹腔鏡による拡大視効果により,症例によっては精緻な手術が可能になると考える.
参考文献
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