文献詳細
臨床報告
水腎症,尿路感染症を契機に診断された後腹膜仮性囊胞の1例
著者: 境雄大12 佐野淳1 浜島秀樹1 松倉聡1 田口泰三1 谷崎裕志1
所属機関: 1医療法人社団誠高会 おおたかの森病院外科 2現・つがる西北五広域連合 つがる総合病院一般・内視鏡・心血管・呼吸器・乳腺外科
ページ範囲:P.236 - P.240
文献概要
55歳,女性.3日間持続する腹痛と発熱を主訴に受診した.臍の右外側に腫瘤を触知し,圧痛を認めた.血液検査で炎症反応,尿検査で白血球,細菌が認められた.CTと超音波検査で子宮筋腫,卵巣囊胞,右水腎症,右尿管を圧排する後腹膜の囊胞性病変が疑われた.MRIで後腹膜の囊胞性病変は最大径4.9 cmで,T1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号であった.後腹膜腫瘤の診断で開腹術を施行した.後腹膜から発生した囊胞性病変で周囲と強固に癒着していたが,腫瘤を摘出した.病理組織検査から後腹膜仮性囊胞と診断した.術後経過は良好であった.水腎症の原因として本症も念頭に置く必要がある.
参考文献
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