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文献詳細

雑誌文献

臨床外科71巻3号

2016年03月発行

文献概要

図解!成人ヘルニア手術・10 忘れてはならない腹壁解剖と手技のポイント

閉鎖孔ヘルニア修復法

著者: 内藤稔1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター

ページ範囲:P.328 - P.337

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■ はじめに
 骨盤の寛骨臼の下方には,恥骨および坐骨で囲まれた閉鎖孔があり,ほとんど閉鎖膜で覆われている.その前下方に裂孔があり,閉鎖血管・閉鎖神経が通る.この部は閉鎖管と呼ばれ,ここを通じて腸管が大腿内側に脱出するものを閉鎖孔ヘルニア(obturator hernia)という.近年,平均年齢の上昇とともに症例は増加している.診断に時間を要していた20年くらい前は死亡率も高かったが,CT検査による早期診断が普及してからは予後の改善が認められる1,4,6〜8).本稿では,診断の重要性・局所の解剖について解説する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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