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文献詳細

雑誌文献

臨床外科71巻3号

2016年03月発行

文献概要

短報

傍臍ヘルニアの1例

著者: 境雄大12 佐野淳1 浜島秀樹1 菊池順子1 田口泰三1 松倉聡1

所属機関: 1医療法人社団誠高会 おおたかの森病院外科 2現・つがる西北五広域連合 つがる総合病院一般・内視鏡・心血管・呼吸器・乳腺外科

ページ範囲:P.373 - P.375

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要旨
患者は33歳,女性.帝王切開で3回の開腹歴がある.約1か月間にわたり臍部の違和感,週に1〜2回程度の膨隆を自覚していた.臍部の膨隆,激痛があり,臥位で圧迫し改善した.翌日,当院を受診した.臍下部右側にわずかな膨隆を認めた.腹部CTで,臍を中心に約1 cmのヘルニア門と大網と思われるヘルニア囊を認めた.傍臍ヘルニアの診断で待機的手術を施行した.ヘルニア門は7 mmで,ヘルニア内容物は大網であった.ヘルニア門を直接縫合閉鎖した.経過は良好で,術後第2病日に退院した.本症は非対称で臍上部または下部に偏って膨隆するのが特徴とされる.自験例は複数回の妊娠と帝王切開が誘因となった可能性がある.

参考文献

1)星野敏彦,遠藤正人,阿久津泰典,他:Prolene Hernia Systemを用いた傍臍ヘルニア手術の1例.日臨外会誌64:3208-3211,2003
Fitzgibbons RJ Jr, Greenburg AG(ed):Hernia, 5th ed, Philadelphia, Lippincott Williams and Wilkins, 2002, pp 389-398
3)上嶋 徳,倉地清隆,中村光一,他:Prolene Hernia System法で修復した上腹壁ヘルニアと傍臍ヘルニア併存の1例.日臨外会誌72:2455-2459,2011
4)山本善光,佐々本尚子,三好ゆかり,他:肥満患者に対して施行した単孔式腹腔鏡下手術の2症例.臨婦産68:171-175,2014
5)Abo-Ryia MH, El-Khadrawy OH, Moussa GI, et al:Prospective randomized evaluation of open preperitoneal versus preaponeurotic primary elective mesh repair for paraumbilical hernias. Surg Today 45:429-33, 2015
6)Ghnnam WM, Helal AS, Fawzy M, et al:Paraumbilical hernia repair during cesarean delivery. Ann Saudi Med 29:115-118, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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