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文献詳細

雑誌文献

臨床外科71巻4号

2016年04月発行

文献概要

臨床報告

S状結腸原発悪性黒色腫の1例

著者: 木下敬史1 小森康司1 木村賢哉1 岩田至紀1 清水泰博1 谷田部恭2

所属機関: 1愛知県がんセンター中央病院消化器外科 2愛知県がんセンター中央病院遺伝子病理診断部

ページ範囲:P.496 - P.499

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要旨
症例は80歳,女性.検診で便潜血陽性を指摘され近医を受診した.下部消化管内視鏡検査にてS状結腸に腫瘍を認め,生検にて悪性黒色腫と診断され,当科紹介となった.S状結腸原発悪性黒色腫と診断し,大腸癌に準じS状結腸切除術,D3郭清を施行した.病理組織検査にて,腸管傍リンパ節に2個の転移を認めた.術後は経過観察を行い,術後3年10か月経過した現在,無病生存中である.結腸原発悪性黒色腫は非常に稀な疾患である.現在のところ手術成績については不明であるが,外科的切除が有用であると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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