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文献概要
ひとやすみ・137
プライバシーと公的立場
著者: 中川国利1
所属機関: 1宮城県赤十字血液センター
ページ範囲:P.607 - P.607
文献購入ページに移動 組織のトップが健康を害したとき,自己の病気を公言すべきか否か,さらには公言する際には何時いかなる場で公表するか,決断すべき事項が多い.いかに決断しどのような言動をしても人それぞれであるが,それまでに培ってきた個々人の人生観が大きく影響する.
私は生来健康であったが,職場健診でPSA値5.1 ng/mLと高値なことから精査を受け,前立腺癌と診断された.そしてダヴィンチによる腹腔鏡下前立腺切除術を受けるはめになった.病気はあくまでも個人の問題であり,公表する義務はない.しかし,私は小さいながらも組織の長であり,組織にとってトップの動向は最重要事項である.そこでナンバー2である事業部長および所属する上部組織長にのみ,前立腺癌で手術を受けることを伝えた.一方,他の職員には動揺を与えることを危惧し,ひとまず内密にした.そしてたまたま以前から予定していた学会出張に便乗し,さらには夏季特別休暇を繰り入れて入院期間の2週間を確保した.
私は生来健康であったが,職場健診でPSA値5.1 ng/mLと高値なことから精査を受け,前立腺癌と診断された.そしてダヴィンチによる腹腔鏡下前立腺切除術を受けるはめになった.病気はあくまでも個人の問題であり,公表する義務はない.しかし,私は小さいながらも組織の長であり,組織にとってトップの動向は最重要事項である.そこでナンバー2である事業部長および所属する上部組織長にのみ,前立腺癌で手術を受けることを伝えた.一方,他の職員には動揺を与えることを危惧し,ひとまず内密にした.そしてたまたま以前から予定していた学会出張に便乗し,さらには夏季特別休暇を繰り入れて入院期間の2週間を確保した.
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