文献詳細
臨床報告
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を行ったinterparietal herniaの1例
著者: 柿下大一1 山本治慎1 徳毛誠樹1 國末浩範1 太田徹哉1 内藤稔1
所属機関: 1岡山医療センター外科
ページ範囲:P.107 - P.110
文献概要
症例は73歳,男性.左下腹部の膨隆と疼痛を主訴に当院を受診した.CTでは下腹壁動静脈の外側から脱出する鼠径部ヘルニアを認めたが,ヘルニア腔は鼠径管の頭側へと進展しており,interparietal herniaが疑われた.腹腔鏡下ヘルニア修復術の方針とし,腹膜前腔を剝離すると,ヘルニア腔は鼠径管と筋膜で境されており,内外腹斜筋間に進展していたためinterstitialタイプのinterparietal herniaと診断した.通常の鼠径ヘルニアと同様にメッシュによる修復術を行った.interparietal herniaは比較的稀なヘルニアであり,腹腔鏡で診断・治療が行われた報告は少ないため,文献的考察を加えて報告する.
参考文献
掲載誌情報