文献詳細
増刊号 手術ステップごとに理解する—標準術式アトラス
1 食道
アカラシアに対する手術
著者: 酒井真1 栗山健吾1 吉田知典1 熊倉裕二1 宗田真1 宮崎達也1 桑野博行1
所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科総合外科学
ページ範囲:P.23 - P.27
文献概要
トロッカー挿入,肝左葉の挙上と視野の展開(図1)
アカラシアに対する筋層切開術は,1913年Hellerにより最初の報告が行われ,現在では本法に逆流防止手術であるDor噴門形成術を加える,いわゆるHeller-Dor法が広く普及し,また腹腔鏡手術が標準化されている.本稿では,腹腔下Heller-Dor法について概説する.
①手術体位は開脚仰臥位としている.臍部にopen methodで12 mmブラントチップトロッカーを挿入する.腹腔内の癒着を確認しながら,右肋弓下鎖骨中線上に5 mmトロッカー,左肋弓下鎖骨中線上に12 mmトロッカー,さらにその外側で左側腹部前腋窩線上に5 mmトロッカーを挿入する.術者は両鎖骨中線上のトロッカーもしくは右鎖骨中線上および臍部トロッカーを適宜使用している(臍部トロッカーを術者が使用する際には,左鎖骨中線上12 mmよりカメラを挿入する).
参考文献
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