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増刊号 手術ステップごとに理解する—標準術式アトラス 4 大腸・肛門
直腸癌—括約筋間直腸切除術
著者: 山田一隆1 佐伯泰愼1 高野正太1 岩本一亜1 福永光子1 田中正文1 野口忠昭1 高野正博1
所属機関: 1大腸肛門病センター高野病院消化器外科
ページ範囲:P.116 - P.122
文献購入ページに移動腹腔操作Ⅰa:上方リンパ節郭清,自律神経温存(図1)
下部直腸癌に対する究極の肛門温存手術である括約筋間直腸切除術(ISR)は,経腹および経肛門的操作によって内外括約筋間での直腸剝離を行い,歯状線から括約筋間溝までの解剖学的肛門管内で内肛門括約筋とともに直腸を一括切除し,経肛門的に再建腸管・肛門吻合を行う手術法である.ISRには開腹手術と腹腔鏡手術があり,手術手順では腹腔操作と肛門操作を交互に行うこととなるが,本稿では開腹手術で腹腔操作を先行する術式を提示する.
①手術体位は腹腔操作と肛門操作のために砕石位とし,腰部には薄い枕を入れて軽度の骨盤高位とする.肛門操作を容易にするために,会陰部は少し手術台の外に出し,必要に応じて直腸の洗腸を行い,残便がないことを確認する.
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