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文献詳細

雑誌文献

臨床外科72巻11号

2017年10月発行

文献概要

増刊号 手術ステップごとに理解する—標準術式アトラス 7 ヘルニア

腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術—TEP法

著者: 川原田陽1 佐藤大介1 山本和幸1 森大樹1 花城清俊1 芦立嘉智1 櫛引敏寛1 横山啓介1 福田純己1 才川大介1 鈴木善法1 北城秀司1 奥芝俊一1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会 斗南病院外科

ページ範囲:P.319 - P.324

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Step1
皮膚切開と腹膜外腔への到達
 通常,腹直筋前鞘を切開し,腹直筋と腹直筋後鞘の間の空間に到達する.腹膜外腔アプローチ(totally extraperitoneal repair:TEP)の操作のなかで最もイメージがつきにくいStepである.当科では,先に腹腔内を観察してヘルニアの診断を行ったあとに,患側の腹直筋前鞘を横切開している.現在は同部にプラットホームを挿入してブラインド操作のない剝離を行っている1).同部の剝離をoptical法で行う方法もある2)
①臍を縦切開し,臍直下の腹壁欠損部から5 mmスコープを挿入して腹腔内を観察し,ヘルニアの診断を行う.なお,この孔は閉創時までそのままにしておき,術中に腹膜を損傷して気腹になった場合は,この孔からネラトンチューブを挿入して腹腔内の脱気を行い,視野を確保する.

参考文献

1)川原田陽,大場光信,山本和幸,他:TEP法—TAPPからTEPへ;ブラインド操作を行わない手技.消外39:435-447,2016
2)江口 徹,当間宏樹,岡部安博,他:腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術—TEP法の最新手術手技.手術69:1539-1548,2015
3)Arregui ME:Surgical anatomy of the preperitoneal fasciae and posterior transversalis fasciae in the inguinal region. Hernia 1:101-110, 1997
4)柵瀨信太郎:鼠径部の局所解剖.手術69:491-523,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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