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増刊号 手術ステップごとに理解する—標準術式アトラス 7 ヘルニア
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術—TEP法
著者: 川原田陽1 佐藤大介1 山本和幸1 森大樹1 花城清俊1 芦立嘉智1 櫛引敏寛1 横山啓介1 福田純己1 才川大介1 鈴木善法1 北城秀司1 奥芝俊一1
所属機関: 1国家公務員共済組合連合会 斗南病院外科
ページ範囲:P.319 - P.324
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通常,腹直筋前鞘を切開し,腹直筋と腹直筋後鞘の間の空間に到達する.腹膜外腔アプローチ(totally extraperitoneal repair:TEP)の操作のなかで最もイメージがつきにくいStepである.当科では,先に腹腔内を観察してヘルニアの診断を行ったあとに,患側の腹直筋前鞘を横切開している.現在は同部にプラットホームを挿入してブラインド操作のない剝離を行っている1).同部の剝離をoptical法で行う方法もある2).
①臍を縦切開し,臍直下の腹壁欠損部から5 mmスコープを挿入して腹腔内を観察し,ヘルニアの診断を行う.なお,この孔は閉創時までそのままにしておき,術中に腹膜を損傷して気腹になった場合は,この孔からネラトンチューブを挿入して腹腔内の脱気を行い,視野を確保する.
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