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文献詳細

雑誌文献

臨床外科72巻12号

2017年11月発行

文献概要

臨床報告

乳癌と小細胞癌を含む胆囊癌の同時性重複癌の1例

著者: 國又肇1 館花明彦2 浜口洋平2 鈴木信親2 岡輝明3

所属機関: 1公立学校共済組合関東中央病院 放射線科 2公立学校共済組合関東中央病院 乳腺外科 3公立学校共済組合関東中央病院 臨床病理科

ページ範囲:P.1377 - P.1382

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要旨
高齢化や画像診断技術の向上により,同時性・異時性の重複癌の報告は増えている.また,各臓器の癌における治療法が進歩し,癌治療後の生存期間が延長しているため,癌の治療中あるいは治療後の人々は増加している.乳癌は比較的予後の良好な疾患であり,治療後の期間も長期にわたるため,重複癌を早期に発見し治療することはquality of life(QOL)を維持するためにも重要と考えられる.乳癌と他臓器の重複癌の組み合わせとしては,胃癌,大腸癌,子宮癌などの報告が多く,胆囊癌の報告は稀である.今回,われわれは乳癌の術前検査によって小細胞癌を含む胆囊癌が発見された同時性重複癌を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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