文献詳細
臨床報告
メシル酸イマチニブ投与中に腹腔内出血をきたした胃GIST腹膜転移再発の1例
著者: 鈴木克徳1 東幸宏1 小路毅1 西山雷祐1 丸尾啓敏1
所属機関: 1静岡市立清水病院外科
ページ範囲:P.361 - P.364
文献概要
症例は69歳,男性.2001年4月に胃消化管間質腫瘍(GIST)に対して腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行した.2003年8月に肝転移再発をきたし,肝右葉切除術を施行し,メシル酸イマチニブを6年間内服した.2012年8月,腹膜転移再発の診断のもと,メシル酸イマチニブの投与を再開し,腹膜転移巣は著明な縮小を認めていた.2013年8月,腹腔内出血の診断で緊急開腹術を行った.腸間膜の腹膜転移巣が出血源と診断し,同部位を切除,あわせて大網に存在した転移巣も切除した.術後経過は良好で第8病日に退院となった.本症例は腫瘍径の大きな腹膜転移巣にメシル酸イマチニブの高度の抗腫瘍効果が加わり,腫瘍壊死からの出血が生じたと推測された.
参考文献
掲載誌情報