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昨日の患者
病室に遺された絵画
著者: 中川国利1
所属機関: 1宮城県赤十字血液センター
ページ範囲:P.464 - P.464
文献購入ページに移動 近年,とかく沈みがちな入院患者さんを和ませるために,寛ぐデイルームや病室に絵画,写真,書などを飾る医療機関が増えつつある.そこで入院患者さんには様々な才能を有する人が居るため,私は患者さんのオリジナル作品を病棟に飾ることを思い立った.そして寄贈された作品を見るたびに,贈ってくれた患者さんを思い出す.
70歳代半ばのWさんは上腹部痛を主訴に来院し,精査の結果は膵臓癌であった.既に多発性肝転移をきたしており,癌化学療法を試みたが治療効果は芳しくなかった.厳しい治療経過に苛立ち,さすがわれわれ医療スタッフに不満をぶつけることはなかったが,付き添う奥さんにはしばしば辛く当たった.
70歳代半ばのWさんは上腹部痛を主訴に来院し,精査の結果は膵臓癌であった.既に多発性肝転移をきたしており,癌化学療法を試みたが治療効果は芳しくなかった.厳しい治療経過に苛立ち,さすがわれわれ医療スタッフに不満をぶつけることはなかったが,付き添う奥さんにはしばしば辛く当たった.
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