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文献詳細

雑誌文献

臨床外科72巻4号

2017年04月発行

ラパコレUpdate 最近のコンセプトと手技・9

総胆管結石症例に対するラパコレ—Choledochotomy

著者: 梅澤昭子1

所属機関: 1四谷メディカルキューブきずの小さな手術センター

ページ範囲:P.498 - P.507

文献概要

はじめに
 総胆管結石に対する治療は,二つに大別される.内視鏡的胆管切石と(腹腔鏡下)胆囊摘出術を併用するいわゆる二期的治療,手術的(腹腔鏡下)に胆管切石と胆囊摘出術を同時に行う一期的治療である.二期的治療は内視鏡的治療を手術前か,手術後に行うもので,内視鏡の術者が必要である.一期的治療は術者が一つの手術として包括的に完結させることができる方法であり,患者にとって一回の治療(手術)で治療が完結するという点で優位である.
 現在,総胆管結石は二期的治療が広く行われている1).これは,腹腔鏡下胆囊摘出術の黎明期と内視鏡的乳頭切開切石術(EST)の手技の普及時期が重なり,多くの腹腔鏡外科医が腹腔鏡下の一期的治療を選択肢としてこなかったためである2).しかし,ESTの長期成績(胆管結石累積再発率)や乳頭機能障害について思いを馳せれば,若年および中壮年層には乳頭を温存する一期的治療が正当であるということは明らかである.
 総胆管結石に対する腹腔鏡下の一期的治療は,切石ルートの観点から二種類あり,胆囊管を切石ルートとして用いる経胆囊管法と総胆管を切開する胆管切開法に分類される.経胆囊管法は,切石が完了し手術が終了すれば,術後は胆囊摘出術と同様の術後管理と経過であるため優れた手段であるが,胆囊管を切石ルートに使用するという特性ゆえに制限もある.それを補完し治療を完結させる手技として胆管切開法がある.
 以下に胆管切開法について述べる.

参考文献

1)内視鏡外科手術に関するアンケート調査—第13回集計結果報告.日鏡外会誌21:671-679,2016
2)森 俊幸,阿部展次,正木忠彦,他:最新の内視鏡外科手術の適応と注意点 胆道疾患.臨外72:34-41,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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