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昨日の患者
死期を悟った医師
著者: 中川国利1
所属機関: 1宮城県赤十字血液センター
ページ範囲:P.632 - P.632
文献購入ページに移動 医師が自分の専門とする分野の末期癌に罹患したとき,どんな想いを抱き,そしてどんな行動をするであろうか.自分の亡き後について家族と真剣に相談し,そして自分の想いを実行した医師を紹介する.
Kさんは60歳代前半で,胃癌や大腸癌,さらには肝臓癌を専門とする消化器外科医であった.そのKさんが上腹部痛にて精査の結果,胃癌が判明した.しかもすでに多発性の肝転移もきたしていた.さらに開腹すると,わずかながらも腹膜転移を認めた.Kさんは術前に,「腹膜転移を認めたら単に胃切除のみに留め,あとは癌化学療法に託したい」と希望していたため,幽門側胃切除術のみを行った.
Kさんは60歳代前半で,胃癌や大腸癌,さらには肝臓癌を専門とする消化器外科医であった.そのKさんが上腹部痛にて精査の結果,胃癌が判明した.しかもすでに多発性の肝転移もきたしていた.さらに開腹すると,わずかながらも腹膜転移を認めた.Kさんは術前に,「腹膜転移を認めたら単に胃切除のみに留め,あとは癌化学療法に託したい」と希望していたため,幽門側胃切除術のみを行った.
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