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文献詳細

雑誌文献

臨床外科72巻5号

2017年05月発行

文献概要

臨床報告

腹腔鏡・内視鏡合同手術により切除した十二指腸粘膜下腫瘍の1例

著者: 溝口公士1 呉原裕樹1 春木伸裕1 原田幸志朗1 伊藤直1 北川諭2

所属機関: 1トヨタ記念病院消化器外科 2トヨタ記念病院病理診断科

ページ範囲:P.633 - P.637

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要旨
PET/CTで集積を認めた十二指腸球部の粘膜下腫瘍に対し腹腔鏡・内視鏡合同手術(laparoscopy and endoscopy cooperative surgery:LECS)を行い,過不足のない切除を行うことができ,良好な経過であった1例を経験したので報告する.症例は40歳,男性.健診で施行した上部消化管造影検査にて異常を指摘された.近医を受診し,上部消化管内視鏡検査を受けたところ,十二指腸球部に2 cmほどの隆起性病変を認め,十二指腸粘膜下腫瘍と診断された.精査加療目的に当院を紹介され受診した.手術はLECSを行い良好な経過であった.本術式は内腔に突出する十二指腸粘膜下腫瘍において有用な術式と考える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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