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文献詳細

雑誌文献

臨床外科72巻6号

2017年06月発行

文献概要

特集 術後重大合併症—これだけは知っておきたい緊急処置法 各論

肺塞栓

著者: 左近賢人1

所属機関: 1大阪国際がんセンター(旧・大阪府立成人病センター)

ページ範囲:P.693 - P.698

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【ポイント】
◆肺血栓塞栓症(PTE)の主要リスク因子である高齢,手術の大きさ,癌,血栓症の既往のほか,術後合併症の発生時には注意が必要である.
◆PTEはいったん発症すると重篤であり,予防が重要であるが,患者・家族にもリスクと予防の限界についてよく説明することが重要である.
◆静脈血栓塞栓症(VTE)は血栓が存在しても症状が出にくい.術中術後に説明のつかない酸素化の悪化を認めた場合はPTEを疑う.
◆PTEを疑うと未分画ヘパリン5千単位の静注をまず行い,循環器内科/外科にコンサルトする.専門外である主治医が診断と治療に時間をかけないこと.

参考文献

1)肺塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン作成委員会:肺塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン,ダイジェスト版.メディカル フロント インターナショナル リミテッド,2004
2)安藤太三,應儀成二,小川 聡,他;日本循環器学会,他:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2002-2003年度合同研究班報告),肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断・治療・予防に関するガイドライン.Circ J 68(Suppl Ⅳ):1079-1152,2004
3)Gould MK, Garcia DA, Wren SM, et al:Prevention of VTE in nonorthopedic surgical patients:Antithrombotic Therapy and Prevention of Thrombosis, 9th ed:American College of Chest Physicians Evidence-Based Clinical Practice Guidelines. Chest 141(2 Suppl):e227S-277S, 2012
4)黒岩政之,入田和男,讃岐美智義,他:2009-2011年周術期肺塞栓症調査結果から見た本邦における周術期肺血栓塞栓症の特徴—(公社)日本麻酔科学会安全委員会 周術期肺塞栓症調査報告.麻酔62:629-638,2013
5)Sakon M, Maehara Y, Yoshikawa H, et al:Incidence of venous thromboembolism following major abdominal surgery:a multi-center, prospective epidemiological study in Japan. J Thromb Haemost 4:581-586, 2006
6)左近賢人,向井幹夫,池田正孝:術後(整形外科,外科領域)血栓症予防における抗凝固療法のEBM.血栓と循環23:57-62,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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