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臨床報告
拡大腹直筋皮弁と大腿筋膜を用いて腹壁再建した腹壁浸潤上行結腸癌の1例
著者: 長嶋康雄1 船橋公彦1 荻野晶弘2 根本哲生3 佐藤行彦4
所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院一般・消化器外科 2東邦大学医療センター大森病院形成外科 3東邦大学医療センター大森病院病理診断科 4大宮双愛病院外科
ページ範囲:P.109 - P.113
文献購入ページに移動大腸癌の他臓器浸潤は10〜20%の頻度で起こるとされ,結腸癌においては腹壁への浸潤は小腸に次いで多い.他臓器浸潤の大腸癌では,浸潤臓器の合併切除が予後の向上に有用である.今回,広範囲に腹壁浸潤を認める上行結腸癌に対して腹壁形成を行うことで,1期的治癒切除が可能であった症例を経験した.症例は70歳代,男性.右下腹部の腫瘤および倦怠感と発熱を主訴に入院となり,精査にて腹壁浸潤を伴う上行結腸癌〔cT4b(腹壁),cN2,cM0,cStageⅢb〕と診断した.手術は,結腸右半切除術に加えて腹壁を合併切除し,12×11 cmの腹壁欠損に対して腹直筋と大腿筋膜を用いて腹壁再建を施行した.術後合併症はなく,第25病日に退院した.
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