臨床外科73巻11号

2018年10月発行

増刊号 あたらしい外科局所解剖全図—ランドマークとその出し方 下部消化管 《Special Lecture》

endopelvic fasciaの解剖

著者： 加藤博樹¹ 塚田祐一郎¹ 伊藤雅昭¹ 池田公治¹ 西澤祐吏¹ 佐々木剛志¹

所属機関： ¹国立がん研究センター東病院大腸外科

ページ範囲：P.137 - P.142

はじめに
　骨盤内の膜構造は複雑であり，過去の研究を経てもいまだに完全に解明されているとは言いがたい．また，解剖用語に関しても統一されておらず，同じ骨盤内臓器を扱う大腸外科，泌尿器科および婦人科のなかでも解剖認識が異なることもある．本稿では，内骨盤筋膜（endopelvic fascia）を中心に，骨盤内の膜構造について解説する．
＊本論文中、［▶動画］マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます（公開期間：2023年10月末まで）。

参考文献

1）Susan Standring：Gray's Anatomy：The Anatomical Basis of Clinical Practice, 41ed. Elsevier, 2015, pp 1223-1224

2）伊藤雅昭，小林昭広，西澤祐吏，他：腹腔鏡下ISR．臨外71：171-180，2016

3）佐藤達夫：骨盤外科解剖序論．Jpn J Endourol 25：2-10，2012

4）渡邉　純，舛井秀宣，長堀　薫：側方リンパ節郭清術．消外40：668，2017

5）Takenaka A, Hara R, Soga H, et al：A novel technique for approaching the endopelvic fascia in retropubic radical prostatectomy, based on an anatomical study of fixed and fresh cadavers. BJU Int 95：766-771, 2005

6）金尾祐之：解剖学的視点で解き明かす女性骨盤手術．南江堂，2016，pp 13-14

7）Drake R, et al：Gray's Atlas of Anatomy, 2nd ed, Elsevier, 2014, p 245

8）太田貢由，諏訪宏和，中川和也，他：拡大手術に必要な解剖—臓側骨盤筋膜と壁側骨盤筋膜．手術70：1037-1044，2016