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文献詳細

雑誌文献

臨床外科73巻13号

2018年12月発行

文献概要

臨床報告

超音波ガイド下に整復し待機腹腔鏡手術を施行した閉鎖孔ヘルニア嵌頓の1例

著者: 長谷川毅1 寺岡均1 森拓哉1 木下春人1 野田英児1

所属機関: 1馬場記念病院外科

ページ範囲:P.1530 - P.1535

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要旨
症例は96歳,女性.右鼠径部痛を主訴に当院を受診した.腹部CTにて右恥骨筋と外閉鎖筋の間に小腸の嵌頓像を認め,閉鎖孔ヘルニアの嵌頓と診断した.発症後間もないため超音波ガイド下に還納した後に,待機的に腹腔鏡手術を行った.近年,閉鎖孔ヘルニアは術前診断が可能であり,嵌頓している症例でも整復後に腹腔鏡下手術を施行した報告が見受けられる.本疾患の患者は高齢であることが多く,整復することができれば,待機的に低侵襲な腹腔鏡手術を行うことは非常に有効であると考えられた.

参考文献

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2)吉井修二,柏木秀幸,高橋直人,他:腹腔鏡下修復術を施行した両側閉鎖孔ヘルニアの1例.日外科系連会誌36:90-94,2011
3)山本秀和,加藤 滋,肥田侯矢,他:用手還納後に鼠径法により待機的手術を行った閉鎖孔ヘルニアの2例.日臨外会誌66:1485-1488,2005
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15)大東雄一郎,薮内裕也,松本宗明,他:非嵌頓性閉鎖孔ヘルニアに対し腹腔鏡下修復術を施行した1例.日外科系連会誌39:1197-1201,2014
16)三上和久,吉田浩之,中村 崇,他:超音波ガイド下日観血的整復後に腹腔鏡下修復術(TAPP)を施行した閉鎖孔ヘルニアの1例.消外37:1481-1484,2014
17)岡村 淳,頼木 領,津田健希,他:超音波下に整復し待機的に両側TAPPを施行した閉鎖孔ヘルニア嵌頓の2例.消外40:1235-1240,2017
18)金澤伸郎,横山康行,吉田孝司,他:閉鎖孔ヘルニアの検討.日臨外会誌69:2168-2172,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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