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文献概要
昨日の患者
死後について語る
著者: 中川国利1
所属機関: 1宮城県赤十字血液センター
ページ範囲:P.351 - P.351
文献購入ページに移動 死期を悟った患者が死後について語りたくなったとき,家族は聞き入れることができずに拒否しがちになる.しかし死後についての希望を家族に語り,感謝に満ちて逝った患者さんを紹介する.
Sさんは40歳代半ばの乳癌術後患者であった.乳癌の再発を繰り返し,全身状態が急速に悪化して再入院した.死期を悟ったSさんから相談を持ち掛けられた.「私に残された時間は少なく,亡くなった後のことを母に相談したいのですが,まったく取り合ってくれず,悩んでいます」.そこで母親に娘の意を伝えたが,「娘の死など,絶対に承認できません」と,頑なに拒否された.
Sさんは40歳代半ばの乳癌術後患者であった.乳癌の再発を繰り返し,全身状態が急速に悪化して再入院した.死期を悟ったSさんから相談を持ち掛けられた.「私に残された時間は少なく,亡くなった後のことを母に相談したいのですが,まったく取り合ってくれず,悩んでいます」.そこで母親に娘の意を伝えたが,「娘の死など,絶対に承認できません」と,頑なに拒否された.
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