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文献詳細

雑誌文献

臨床外科73巻5号

2018年05月発行

文献概要

特集 縦隔を覗き,さらにくり抜く—これからの食道・胃外科手術 食道胃接合部癌に対する手術

食道胃接合部癌の手術に必要な局所解剖—下縦隔へのランドマークとしての心臓下包

著者: 倉橋康典1 中村達郎2 中西保貴1 小澤りえ1 仁和浩貴1 石田善敬1 篠原尚1

所属機関: 1兵庫医科大学上部消化管外科 2京都大学消化管外科

ページ範囲:P.531 - P.535

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【ポイント】
◆横隔膜右脚と食道の間には心臓下包(infracardiac bursa:ICB)と呼ばれる閉鎖腔が存在する.
◆ICBは胚子期において右肺腸陥凹が腹膜腔と連絡し,その後横隔膜が形成される際に分断され,横隔膜上に中皮で囲まれた閉鎖腔として完成する.
◆ICBは下縦隔リンパ節郭清におけるランドマークとなる構造物である.

参考文献

1)篠原 尚,水野惠文,牧野尚彦:イラストレイテッド外科手術—膜の解剖からみた術式のポイント,第3版.医学書院,2010,p 492
2)吉村文博,佐藤啓介,長谷川傑,他:食道胃接合部に対する腹腔鏡下経裂孔的下縦隔リンパ節郭清.消外40:57-66,2017
3)山下裕玄,瀬戸泰之:食道胃接合部癌手術における剝離層の選択.臨外72:790-795,2017
4)Broman I:Die Entwickelungsgeschichte der Bursa omentalis und ähnlicher Rezessbildungen bei den Wirbeltieren. Wiesbaden, J.F.Bergmann, 1904
5)Broman I:Warum wird die Entwicklung der Bursa Omentalis in Lehrbüchern fortwährend unrichtig beschrieben? Anat Anz 86:195-202, 1938
6)Yamada S, Uwabe C, Fujii S, et al:Phenotypic variability in human embryonic holoprosencephaly in the Kyoto collection. Birth Defects Res A Clin Mol Teratol 70:495-508, 2004
7)O'Rahilly R, Müller F, Streeter GL:Developmental Stages in Human Embryos:Including a Revision of Streeter's “Horizons” and a Survey of the Carnegie Collection. Carnegie Institution of Washington, 1987, p 306

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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