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Reduced Port Surgery—制限克服のための達人からの提言・5
総論—RPSにおけるトレーニング法・縫合技術
著者: 山口高史1 森俊幸2
所属機関: 1立正佼成会附属佼成病院外科 2杏林大学消化器・一般外科
ページ範囲:P.604 - P.610
文献購入ページに移動腹腔鏡手術が普及した最大の要因は低侵襲であることである.従来の腹腔鏡手術の発展に伴い,体壁損傷のさらなる減少,整容性の向上を目指した試みとして単孔式腹腔鏡下手術(single-incision laparoscopic surgery:SLS)や,needle-scopic surgeryが考案された.これらの手技を総称したreduced port surgery(RPS)の導入においては,SLSやneedle-scopic surgeryの特徴,利点・欠点を理解することが重要である.導入においては,従来の腹腔鏡手術の基本的手技を学ぶとともに,SLS,needle-scopic surgeryに特有な手術手技を理解・修練することが必須である.SLSは当初,従来の腹腔鏡手術に比べ,難易度の高い手術と考えられていたが,現在では安全性が担保された手技として広がりをみせている.その理由としては,先人らの手技の標準化,基本的原理の理解とともに,機器,器具の開発などが挙られる.これらの特徴を十分に理解することで,難易度が高いという先入観を払拭し,RPSが将来的にconventionalな腹腔鏡手術として行える手技となることを願っている.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画(Flash形式)を見ることができます(公開期間:2021年5月末まで)。
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