臨床外科73巻6号

2018年06月発行

特集 こうやって教える・学ぶ　高難度消化器外科手術—新エキスパートへの登竜門

肝胆膵

膵癌に対する開腹膵頭十二指腸切除術（門脈再建を含む）

著者： 貞森裕¹ 日置勝義¹ 門田一晃¹ 本多正幸² 吉本匡志¹ 小畠千晶¹ 高倉範尚¹

所属機関： ¹福山市民病院外科 ²彩の国東大宮メディカルセンター

ページ範囲：P.731 - P.735

文献概要

【ポイント】
◆門脈浸潤範囲を術前画像で評価し，グラフト間置も含めた門脈再建方法と門脈離断部位を検討しておく．
◆門脈離断部位への的確な到達法とともに，上腸間膜動脈からの膵頭動脈枝などの先行処理手技に習熟する必要がある．
◆手術成績の安定には，的確な門脈吻合手技の習得と同時に，吻合部の過緊張やねじれの回避が重要である．
＊本論文中、［▶動画］マークのある図につきましては、関連する動画（Flash形式）を見ることができます（公開期間：2021年6月末まで）。

参考文献

1）日本膵臓学会（編）：膵癌取扱い規約，第7版．金原出版，2016，pp 48-53

2）Fujii T, Nakao A, Yamada S, et al：Vein resection ＞3 cm during pancreatectomy are associated with poor 1-year patency rates. Surgery 157：708-715, 2015

3）元井冬彦，海野倫明：膵頭十二指腸切除術における剝離層の選択—進行膵癌に対する膵頭部剝離手技．臨外72：849-855，2017

4）Sanjay P, Takaori K, Govil S, et al：‘Artery-first' approaches to pancreatoduodenectomy. Br J Surg 99：1027-1035, 2012

5）Hirono S, Kawai M, Tani M, et al：Indication for the use of an interposed graft during portal vein and/or superior mesenteric vein reconstruction in pancreatic resection based on perioperative outcomes. Langenbecks Arch Surg 399：461-471, 2014

6）高野重昭，吉富秀幸，清水宏明，他：血行再建時の静脈グラフト選択のポイント-左腎静脈グラフトによる門脈再建術．臨外72：204-207，2017

7）藤井　努：門脈切除再建．日本肝胆膵外科学会高度技能専門医制度委員会（編）；肝胆膵高難度外科手術 第2版．医学書院，2016，pp 89-95