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書評
—本多通孝(著)—外科系医師のための手術に役立つ臨床研究
著者: 吉川貴己1
所属機関: 1国立がん研究センター中央病院 胃外科
ページ範囲:P.1127 - P.1127
文献購入ページに移動 ヒトの体や病気のメカニズムは全て解明されているわけではなく,完璧な治療法もありません.医師は,限定された情報の中で,先人が積み上げてきた,知識や経験,臨床研究の結果を生かしつつ,現時点で最善と判断される方法で,患者さんの診療にあたっています.診療をしていくなかでは,数多くの疑問が生まれます.生まれた疑問は,成書や文献で解決できるものもあれば,できないものもあります.解決できない疑問をどうするか,どうすれば解決できるか,ここに臨床研究の意義が生まれます.
医師として外科医として生きていく以上,診療と研究は切り離せないものです.もちろん,全ては診療から始まります.主治医として,期待通りの結果が得られれば,患者さんも笑顔を見せてくれますし,医師としてもこの上ない喜びでしょう.ですが,1人の外科医が一生で患者さんによい結果がもたらせる数など知れています.せいぜい数百人,数千人でしょう.一方,患者さんの予後やQOLを改善できるような臨床研究の結果を世界に発信できたとしたら,その報告で世界中の数多くの外科医が診療を変えたとしたら,患者さんへのインパクトは数万人,数十万人となることでしょう.
医師として外科医として生きていく以上,診療と研究は切り離せないものです.もちろん,全ては診療から始まります.主治医として,期待通りの結果が得られれば,患者さんも笑顔を見せてくれますし,医師としてもこの上ない喜びでしょう.ですが,1人の外科医が一生で患者さんによい結果がもたらせる数など知れています.せいぜい数百人,数千人でしょう.一方,患者さんの予後やQOLを改善できるような臨床研究の結果を世界に発信できたとしたら,その報告で世界中の数多くの外科医が診療を変えたとしたら,患者さんへのインパクトは数万人,数十万人となることでしょう.
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