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文献詳細

雑誌文献

臨床外科74巻11号

2019年10月発行

増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル

Ⅰ章 周術期管理・総論

輸血療法

著者: 河野武弘1

所属機関: 1大阪医科大学附属病院輸血室

ページ範囲:P.19 - P.23

文献概要

周術期における輸血療法の概要
 輸血療法は,量的に減少,または機能的に低下した血液成分を補充することによって臨床症状の改善を図る補充療法であり,他家血輸血においては成分輸血を原則とする.輸血用血液製剤は,日本赤十字社によって,献血者から提供された血液から製造される.その過程には,国が定めた採血基準と受血者の安全確保のための基準を満たした献血受付,病原体検査等の安全性確認,副作用予防のための白血球除去や,放射線照射等を含み,製造された輸血用血液製剤は,最適な条件で保管され,医療機関からの発注に基づいて地域の血液センターより供給される.
 輸血療法には,安全で適正な実施が求められている.法的には,「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(血液法)」は,血液製剤の適正な使用と安全性に関する情報の収集及び提供に努めることを医療関係者の責務と定めている.また,「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法,旧薬事法)」は,輸血用血液製剤を「特定生物由来製品」と定義し,その使用の際に,表示事項の把握,患者(またはその家族)に製品のリスクとベネフィットについての説明,記録の作成及び保管(20年間),副作用等の報告を義務付けている.

参考文献

1)厚生労働省医薬食品局血液対策課:輸血療法の実施に関する指針.平成26年11月一部改正
2)日本輸血・細胞治療学会:輸血チーム医療に関する指針策定タスクフォース:輸血チーム医療に関する指針(第5版).2017
3)日本麻酔科学会,日本輸血・細胞治療学会:危機的出血への対応ガイドライン.2007
4)日本赤十字社:輸血用血液製剤取り扱いマニュアル.2018年12月改訂版〔http://www.jrc.or.jp/mr/news/pdf/handlingmanual1812.pdf〕
5)厚生労働省医薬・生活衛生局血液対策課:血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン.平成30年3月一部改正
6)厚生労働省医薬・生活衛生局:血液製剤の使用指針.平成31年3月一部改正 ※文献2,3)の文書は日本輸血・細胞治療学会のウェブサイトで入手可能である.〔http://yuketsu.jstmct.or.jp/medical/guidelines/〕文献1,5,6)の文書は厚生労働省のウェブサイトから入手可能である.〔https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kenketsugo/tsuuchi.html〕(2019年8月閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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